ギ ャ ラ リ ー 部 門 世界の酒コレクション 2 石崎幸雄
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       コレクション2は洋酒系のスピリッツ類、リキュール系、スパークリングワイン、酒精強化ワインです。
       中国酒類は紹興酒の甕を保存している地下ピットから出すまでに至りませんでした。
       大きめの甕ですが引き揚げて、次回にコレクション3として他の中国酒と並べます。 
写真1 各種酒瓶の集合写真です。
写真 2‐1
写真 2‐2
日本酒以外は殆どがこの造り付けの棚にオーディオ類と一緒に収まっています。現在はマイクロコンポだけを使っています。ターンテーブルはベルトをSANSUIに買いに行って取り替えていましたが今となってはどうしようもありません、スピーカーもコーンがもうどうなっているのか。 Staxのイヤースピーカーも随分ご無沙汰で劣化してどうなっているのでしょう、時間にゆとりが出来たらまた聴いてみたいと思います。このスピーカーの裏にはDIYのボトルラックがありシェリー酒やポートワインを含むワイン系の瓶が納まっています。

写真 3
    ボトルラックは埃をかぶってこのような状態でした。コルク栓が劣化して漏れている瓶もあります。
    温度管理された棚ではないので、地下ピットで保存をしなければいけなかったのでしょう。
    早く飲み切らなければと思いながら、日本酒で晩酌が当り前となってしまった今は飲む機会が少なくなり今日に至っています。
写真 4
スピリッツ類の内、ジンが3本です。オランダで医学者の研究過程で発明され、主に杜松の実が配合された薬酒的なもので、ダッチ・ジェノバと呼ばれて国民酒になっています。後にイギリスに渡ったものが独自に進化し、ロンドン・ドライ・ジンが生まれました。

パテント・スチルという革新的な連続式蒸留機が発明され、仕上げにポット・スチル(単式蒸留機)の蒸溜をして軽い風味のドライ・ジンができるようになり、ダッチ・ジェノバとは別に分類されています。このドライ・ジンはカレーに良く合うと思います。お試しください。
    
   ①ボンベイ・サファイア/47% - 10種のボタニカルを使い水色の瓶に入ったジンの最高峰とも呼ばれています。

   ②ビーフィーター/40% - 誕生以来変わらぬ9種のボタニカルを使いロンドン市内で唯一の蒸溜所から生まれています。

   ③ブードルス/45.2% - 柑橘系を含まない7種のボタニカルを使い、ロンドンの「ブードルス・クラブ」にちなんだ名前が
    ついていますが、遠く離れたスコットランドの蒸溜所から生まれます。
    
写真 5
スピリッツ類の内、ウォッカが3本です。 ロシアが発祥で穀類や芋類が原料ですが、当初はポット・スチルの蒸溜なのでクリアな味わいではなく、雑味の多い酒だったようです。 アラビアからヨーロッパ各地へ蒸溜酒が伝わり、ロシアやポーランドなどで寒冷地に適した進化を遂げ、氷点下30度でも凍らないウォッカが生まれたと言われています。 パテント・スチルが導入され、白樺等の活性炭で濾過を行う現在のウォッカは無味無臭に近く、原料ごとの違いもありません。 銘柄数はロシアとポーランドが多いのですが、生産量がもっとも多いのはじつはアメリカです。カクテル文化が浸透しているのがその理由だということです。

    
   ①スミノフ/40% - ロシア皇帝御用達でしたがロシア革命時にパリに亡命、その後アメリカに渡り世界で一番生産量が多いと
    言われています。現在はイギリスのディアジオ社がライセンスを持っています。 ラベルの片隅にUKの文字があったので何だ
    ろうかと思っていたらそういうことでした。

   ②クリスタル/40% - 1991年に崩壊したUSSR産でかなり昔に手に入れたものです。今はロシア連邦になっていますので。

   ③ズブロッカ/40% - ポーランドを代表するフレーバードウォッカ。世界自然遺産、「ビアウォヴィエジャ」の森で育まれた
    バイソングラス(通称ズブロッカ草)を漬け込み、独特の香りを加えたものです。
    
写真 6
スピリッツ類の内、ラムとアクアビットです。コロンブスに発見された西インド諸島に植えられたサトウキビが、気候風土に合い一大砂糖生産地になりました。ラムはその一つのバルバドス島で砂糖生産の廃液からつくられ、カリブ海の海賊や船員達の酒として普及していきました。ヘビー(ダーク)・ラム、ミディアム(ゴールド)・ラム、ライト(ホワイト)・ラムと3タイプが周辺の各国で生産されています。南大東島で日本初のラム酒(商品名:コルコル)が誕生していて気になります。 アクアビットはスエーデンが発祥でヨーロッパからの輸入ワインを蒸溜したブランデーと同様なものだとの記録があります。その後、穀物を使い18世紀にはジャガイモが主な原料になり、その蒸留酒に香草で風味をつけさらに蒸溜して瓶詰めされます。北欧各国で生産される代表的なホワイトスピリッツです。アクアビットの語源はラテン語のaqua vitae (アクアウィータエ)で命の水という意味からきていて、そのゲール語訳の uisce beatha に由来するウイスキーと語源は同根です。
    
   ①マイヤーズラム/40% - ジャマイカン・ダーク・ラムのプランテーションズ・パンチというブランドです。ジャマイカン・
    ダーク・ラムの代表銘柄、香りがリッチで味は濃厚とても美味しいです。パティシエたちに使われていて、そのスイーツの中
    でもサバランが大好きです。

   ②アクアビット/42% - オールボー・アクアビットでデンマーク北部のオールボー町に由来するデンマークの代表的なアクアビ
    ットブランドです。 創立当初から現代まで変わらないレシピで作られていて、デンマーク王室御用達になっています。
    
写真 7
リキュール類が8本です。リキュールの語源はラテン語のLiquefacere (リキュフェセル)で溶けるからの転化です。スピリッツに甘味を
つけ草根木皮の浸出物で香味をつけた混成酒で、3種の製造法があり、それぞれ独特な香りと豊かな色彩を持っています。発祥はフラン
スで、各国に拡がりました。
    
   ①ウーゾ/40% - ギリシャ領のレスボス島発祥と言われ現在でも主要生産地です。ただウーゾの名前の由来は不明です。
    ブドウ等を原料とした蒸留酒にアニス、クローブ他様々な香辛料にハーブやベリー類も加え蒸溜し、数ヵ月の貯蔵を経て特有
    の香りを持ち、水割りにすると白濁する特徴があります。

   ②コアントロー/40% - フランス、アンジェ市で生産され、オレンジ・ピールの香味をブランデーに配した食後酒として飲まれ
    るものでキュラソーの一種です。 コアントロー・オン・アイスにすると乳白色に変化します。

   ③ドライ・ベルモット/40% - 北イタリア、アスティー地方のガンチア社で生産される、白ワインにニガヨモギ、キニーネその
    他数十種類の薬草や香料を配したもので、繊細で爽快な味わいが特徴の辛口タイプのベルモットで食前酒として飲まれます。
    この秘密のレシピは当初から全く変わらず現在に受け継が
れていますが、現在はロシアの民間企業のロシアンスタンダードの
    傘下に入っています。

   ④アンゴスチュラ・アロマティック・ビターズ/40% - ベネズエラの町アンゴスチュラに滞在していたドイツ人医師が強壮剤と
    して考案しました。 ラム酒をベースにリンドウを主として数種の植物性香料を配合した苦味酒で、多くのカクテルに使用さ
    れています。現在はトリニダード・トバゴに生産の拠点を移しています。

   ⑤カルーア/26.5% - メキシコのベラクルスでアルバレス兄弟の作ったコーヒー・リキュールのレシピが最初で、1936年
    に化学者のモンタルヴォ・ララが現在のカルーアのレシピを作りました。サトウキビから砂糖を生産するときに副産物として
    できる廃糖蜜(モラセス)を発酵させて蒸留したスピリッツに、アラビカ種のコーヒー豆のみを使ったコーヒー抽出液を混
    ぜ合わせ、さらにバニラとカラメルを加え8週間寝かせて濾過した甘い酒です。カルーア・ミルクは美味しいです。

   ⑥ヘルメス・リキュール・カカオ/25% - 日本産のカカオ・リキュールでサントリー製造です。 今ではヤフオク、メルカリ
    等でしか手に入りません。カカオ豆を焙煎後に粉砕、スピリッツに漬けこむことで香味と色を抽出しその溶液と、溶液を蒸留
    したものをブレンドします。砂糖や水、バニラやクローブなどの香辛料を加えて熟成、最後にカラメルで色付けしたものです。
    ヘルメスの命名はサントリー創業者、鳥井信治郎で、化学の分野や蒸溜技術の進歩に多大な影響を及ぼした錬金術(別名:ヘ
    ルメスの術)からのようです。

   ⑦ヘルメス・リキュール・チェリーブランデー/24% - 日本産のチェリー・リキュールでサントリー製造です。これもヤフオ
    ク、メルカリ等でしか手に入りません。果実系リキュールで、ブランデーなどの蒸溜酒にサクランボを浸漬し、シナモンやク
    ローブなどのスパイス、砂糖を加え、ろ過したものを熟成させた、濃赤色のきれいなお酒です。

   ⑧電気ブラン/40% - ご存じ、神谷バーで生まれた浅草発祥のお酒です。ブランデーベースにワイン、ジン、ベルモット、キ
    ュラソー等が処方されていますが、未だもって秘伝になっているそうです。ですが、どういう訳か合同酒精が商品化していま
    す。明治で電気が珍しく、目新しい酒なので電気と名付けたようです。ブランはブランデーからです。明治時代は45度もあ
    って舌にビリリとしびれる感覚があったことも関係しているようです。「そうだ浅草、行こう」行きたくなりますね。「新春
    の集い」が中止になりましたし、コロナが収まったら必ず浅草、神谷バーに行きますよ。宣言します。
    
写真 8
スパークリングワインと酒精強化ワインの6本です。スパークリングワインとは、17世紀ごろのフランス・シャンパーニュ地方の僧院で酒庫係をしていた僧侶、ドン・ペリニョン氏が、まだ発酵していないワインにコルク栓をして放置しておいたら、瓶の中で発酵が進んでいてできたものが起源といわれています。3気圧以上の炭酸ガスを含んだ発泡性のあるワインを総称した呼び名で、製造方法は5種あり「シャンパン方式」工程が多く手間とコストがかかり高価、「シャルマ方式」密閉タンクで空気に触れないためフルーティーさが際立つのが特徴、「トランスファー方式」瓶内で発酵させた ワインを「トランスファー方式」瓶内で発酵させたワインを加圧タンクに入れ、沈殿物を除去しボトルに詰めるため工程が少なく低コスト、「リュラル方式」温暖な地域のブドウは糖度が高くその糖分だけで発酵させ、発酵途中で瓶詰めして瓶内発酵、そのためアルコール度数は低い、「炭酸ガス注入方式」瓶詰めされたワインに炭酸ガスを注入する、手間も時間もかからない大量生産品。国によって呼び方も違います。フランス:ヴァン・ムスー、イタリア:スプマンテ、スペイン:エスプモーソ、ドイツ:シャウムヴァイン。色は白、赤、ロゼの3種です。ロゼの色合いが素敵です。

ポートワインとは、ポルトガルのドウロ地区で造られる酒精強化ワインで、世界3大酒精強化ワイン(シェリー、ポートワイン、マデイラワイン)に数えられ、ポルトガルを代表するワインです。起源は17世紀末、イギリスとフランスが第2次百年戦争と呼ばれる争いをはじめたころに遡ります。当時イギリスは強い需要があるにも関わらず、敵国だったフランスのワインの輸入を禁止しました。代わりのワインを探すイギリスのワイン商が出会ったのが、ドウロ川沿いのシトー派修道院が発酵途中のワインにブランデーを添加して造っていたワインでした。これによって酵母の発酵が止まってブドウ果汁の糖分が残り、渋みやアルコールとバランスの取れたまろやか

なワインに仕上がります。この手法を応用して、今の甘口のポートワインの形となったようです。シェリーとは、スペイン南部のアンダルシア地方で、ソレラシステムにより造られる酒精強化ワインの総称です。ソレラシステムは毎年安定した品質のシェリーを作るため、異なる収穫年や異なる樽のシェリーを混ぜ合わせるシステムで、熟成庫の中のワインは古さにより3~4段に整理されていて、一番下の段には最も年数の古いシェリーが入っています。上段の若いワインがより熟成された下段のワインと順序だって混合されていきます。何年もかかって古いワインと混じりながら若いワインが少しずつ熟成されてゆきます。
シェリーは大きく3つのタイプに分けられます。①フィノタイプ-軽く非常にドライなタッチで特有のフロール香が付きます。②オロロソタイプ-パロミノという品種を使用し、アルコールを強化、酸化させて豊かな香りと深いコクを持たせます。③ペドロ・ヒメネス-収穫後天日に干してから搾汁し熟成した高級な甘口タイプです。マルサラワインとは、イタリアのシチリア島で生産される酒精強化 ワインです。酒精強化ワインとはワインにアルコールを加えてアルコール度数を高めたワインで、船便による長期の輸送のため、気温が高く温度管理が難しい地域で腐らないようにするため工夫されました。さきの世界3大酒精強化ワインにマルサラワインを加え、世界4大酒精強化ワインともいわれます。

    
   ①モエ・エ・シャンドン・ロゼ・アンペリアル/12% - フランスのエペルネに本拠を構え広大な自社畑を持つ世界規模の最大手
    メーカーの製品で、ピノ・ノワールが主体のブレンドから生まれる赤系果実の風味を伴う豊かな味わいです。皇帝ナポレオン
    もモエ・エ・シャンドンを愛していたと言われています。

   ②カステルブランチ・グラン・ナドール/11.5% - スペインのペネデス地区最古のカヴァのワイナリーのひとつのカステルブ
    ランチ社がつくる、シャンパン方式の瓶内2次発酵のスパークリング。 この地区はシャンパーニュと同様、シャンパン方式
    でつくる産地です。軽やかな発泡感と爽やかな口当たりで、乾杯から食中酒まで幅広く受けの良い優しさが心地よい味わいです。
    それなのにリーズナブル。

   ③サンデマン・ポート・ファイン・ルビー/19.5% - サンデマン社は1790年に設立され、シェリーやポートワインでは最
    も有名なブランドで、黒いハットにマントを羽織ったドン“がトレードマークです。 通常のルビータイプは赤や黒果実のフ
    ルーティーなアロマの香りを楽しむことができます。

   ④サンデマン・ポート・ファイン・ホワイト/19% - 同じくサンデマン社の製品で、白ブドウを使用し甘さと酸味のバランスが
    心地良いふくよかな味わいです。

   ⑤ティオ・ペペ/16% - ゴンザレス・ビアス社の銘柄でパロミノ種を使用、すっきりとした飲み口とナッツのような独特の香り
    が特徴で軽やかなフィノタイプなので、食前から食中酒としても楽しめる。色味は優雅な印象を与える淡い黄金色です。

   ⑥マルサラ・スーペリオーレ/18% - マルサラのワイナリーCantine Pellegrinoの製品で熟成年数は2年、辛口(SECCO/セッコ)
    です。オーク樽で熟成させ木の香やカラメル、アロマが豊かです。デザートのティラミスに使われることでも有名です。

    
写真 9
カクテルについて 味と香りと色彩の芸術ともいわれます。カクテルの名の由来は諸説あってはっきりしませんが、カクテル文化はアメリカで発展しました。諸説もアメリカでの逸話ばかりです。ベース(基酒)と様々な副材料を使い、シェークかステアーによりつくります。ベースはあらゆる酒が対象になりますが、主に蒸留酒(スピリッツ類)を使います。ショート・ドリンクス、ロング・ドリンクス、ソフト・ドリンクスの3種類に分かれます。ショート・ドリンクスのマティーニをつくりたくて始めました。シンプルな2種の材料のみで完結した傑作で、シンプルがゆえに数々の逸話を持ちカクテルの王様”と呼ばれています。 女王は“マンハッタン”です。ベースのスピリッツを替えた、ウオツカマティーニ(ウオツカティーニ)、テキーラマティーニ(テキーニ)なども知られています。アレキサンダーカクテルや何種類かのショート・ドリンクスには挑戦しまし
た。ロング・ドリンクスではウォッカベースのモスコウ・ミュールが好きでウォッカが何本も空になりました。補充はほとんどしていないのでテキーラやホワイト・ラムなんかも手に入れたいなと思うのですが、日本酒とウイスキーで手いっぱいになっています。
フィズ、リッキー、コリンズ、ハイボールなんかもさわやかで良いです。
スノースタイルが格好良くてテキーラ・マルゲリータもつくりましたが、このカクテルのバイブルに載ってないので、1950年代頃に流行ったコンパメニューだったのでしょうか。それにしてもコンパって、青春時代の懐かしい言葉で良い響きです。今回ご紹介したお酒の多くはカクテルを作るために手に入れたものですが今は出番がそう多くありません。それでも簡単なもの、特にカルーア・ミルクは時々作っています。カルーアと牛乳をグラスに入れてステアーするだけなので。又そのうち、丁寧にシェーカーを振る生活ができればと思います。 手元にある道具を並べます。メジャー、シェーカー、バースプー
ン、スクイーザー、シェーカーの小さいものが見つかりません。
アイスピック、アイスペールやトング他も普段使わないのでしまい込んでいます。オーガニック100%のライム果汁とレモン果汁も並べます。関連した本も6冊並べます。バイブルとして特に読み込んだのは「世界の酒」、「新洋酒天国」と「カクテル」でした。酒は文化です。安心してお酒を楽しめる日が早く来ることを祈りながらイエ飲みを続けていきます。





















2022.2.7 作成 長尾