ギャラリー部門 酒器コレクション その2 石﨑 幸雄
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     陶磁の器に次いで第2弾です。死蔵というべきでしょうか。
     記憶も薄れ家内を大捜索、あんなものもあったはずだけどとこの狭い家でいまだ行方知れずのものがあります。

     このコレクション2に含めなかった普段使いのワイングラスもありますし、以前麦酒用に使っていた大振りのステムグラスも
     ありますが今回は割愛しました。
     それにしても陶磁器を含めいろいろと沢山あるものだと我ながら感心します。
私一人が使うだけなので、断捨離派の他人から
     見て無駄だとのそしりは免れません。確かに有効に活用できているとは言い難い面もありやむをえません。
     一部を除けば不用品=ゴミそのものに見えるのでしょう。殆どゴミといわれるかもしれません。

     でも、私にとっては気持ちが豊かに満たされる癒しの品々です。たくさんあればあるほど心が喜びに満たされます。
     とは云え終活待ったなしを間近に迎えている現状では、どうしたものかとの悩みも深くなります。2020/11/27

1 丸地炉利  IMG_2175.jpg
     冷酒用丸地炉利とガラス急須です。急須も私にとっては酒器になります。何れも耐熱なので熱燗OKです。
     洗うのに気を使うので出番は殆どありませんというより仕舞場所がわかりませんでした。
     まあお正月用ですね!ハレの日の食卓に美しく映えるでしょう。

2 グラスウェア  IMG_2181.jpg
     種々雑多のガラス器で、ショット、リキュール、スピリッツ、カクテルと無節操に並んでいます。
     世界各地の酒類があるのでたまに出番が廻ってくるものもありますが、晩酌用として活躍するのはほぼ4個です。
     前から3列目右端は柳宗理の清酒グラスで一番のお気に入りです。デザイナーの作品は流石にとても使いやすくできています。
     その前はバカラのLOHANで気に入って手に入れたのですが貧乏性が災いして使いきれません。
     3列目左端はスインググラスでゆらゆらと楽しい時間が過ごせます。千葉の酒と刻印のあるステムグラスは千葉県の蔵元が集
     まる酒会場での試飲用です。栃木県の下野杜氏の新酒発表会その他イベントによく行っていましたが今はどこにも行けませ
     ん。安心してイベントに出かけられるようになれば良いのですが。ネットサロン2021開催の頃もまだまだ無理でしょうね。

3 柿右衛門  IMG_2188.jpg
     お猪口はかなり小振りで呑むのが面倒なので、ついついぐい呑みでとなりますが、小さいものも大変趣きがあって良いもの
     です。12代柿右衛門が13代目となる長男とともに復元した濁手素地に伝統的な柿文や粟鶉文が描かれています。
     特に小さいものは玉露茶碗ではないかと思われます。吟醸系を僅かに含んで味わいを唎くには良いかもしれません。
     赤絵はハレの日に上品に呑むのが良いですね。磁器ですのでしっかりできていますが永い間に数が大分減ってきました。

4 玉杯と錫器  IMG_2198.jpg
     中国の玉杯で夜光杯とも呼ばれている玉製の酒器です。宝石から作られた高級品もありますがこれらは高級品ではありません。
     確か多慶屋で購入しました。白酒(パイチュウ)を呑むのに適していると思います。錫のぐい呑みは熱伝導率が良く、お燗をし
     た酒の温もりが伝わってきますし、冷酒はキリッと唇に伝わります。落としても割れませんし重宝に使えます。

5 酒燗器と片口  IMG_2201.jpg
     鉄黒の酒燗器セットで壺に熱いお湯を入れ、真ん中にある徳利に酒を入れて嵌め込み、横にある蓋兼用お猪口で蓋をします。
     いつもは小さな片口を使い禁断のレンチンで済ましていますがすぐに冷めてしまいます。これは多少手間がかかりますが温か
     いままで呑み終わらせることができる、どこででも手に入る簡易的な酒燗器なのですがかなり優れものです。湯煎した燗酒は
     やはり一味違います。いずれにしても“酒は純米、燗ならなおよし”です。冷酒の場合は氷水にすれば適度な冷たさのまま楽し
     めます。ただ冷酒用にはガラス器や錫が似合いますね。手前には作家物の片口を置きました。横は蓋物で宝瓶だと思います。
     酒用にと購入してしまいましたがまるで出番がありません。

6 酒燗器と陶磁器ステムグラス  IMG_2203.jpg
     酒燗器セットの徳利と蓋兼用お猪口が納まった姿です。手前の陶器のステムグラスは焼酎用として活躍しています。
     後ろの染付のステムグラスは主に麦酒用ですが、ガラス製のビアグラスより好んで使っています。

7 酒燗器と枡と塗物片口セット  IMG_2206.jpg
     酒燗器セットの専用袋に納まった姿です。横は漆が掛かった片口セットですが根来塗でしょうか、つい買ってしまったもの
     ですがいつ買ったかも定かではありません。そういえばお屠蘇用の塗りのきれいな漆器が箱に収められてどこかにあったなと
     思い出しました。正月用で現在では出番もありません。特に正月は餃子パーティーでそれどころではなく、我が家に美しい正月
     風景が訪れることはないのですが、2021年のお正月は誰も来れませんので落ち着いた正月が迎えられるかもしれません。
     手前は枡が4個「日本酒で乾杯推進会議」の総会の懇親会で提供されたものです。
     会員証は廃棄しないで残してありますがこの会は解散して今はありません。会員三ヶ条に“率先して日本酒で乾杯すること”
     とあり実践したいのですが、皆さんと集まるときにこれが非常に面倒なことになります。乾杯用はビールが当たり前ですぐに
     提供されるのですが、
     日本酒を頼んでもなかなか運ばれてきません。お待たせするわけにもいかないので無駄な抵抗はしなくなり、
     “ビールで乾杯”とすっかり堕落してしまいました。古来、神事ではお神酒で献杯が当たり前なのに、なかなか日本酒の文化が
     浸透しません。酒の文化はその国の文化そのものなのですが。

8 ボーンチャイナとカラカラと島岡達三  IMG_2207.jpg
     ボーンチャイナ類は大好きな器で、返還前の香港の中環のとある同じ店で行く度に購入して持ち帰ってきました。
     香港も古き良き時代でした。器の持つ柔らかな乳白色に惹かれます。ボーンチャイナはイギリス発祥で今では中国、日本、
     ヨーロッパと生産地が拡がりました。中国や日本の白磁への憧れがあり生産を目指しましたが、磁器に必要な長石や磁性土が
     ないため白磁が出来ず、骨粉で代用して白磁に似た製品を編み出しました。紹興酒用として使っていますがたまに白酒用にも
     なります。右にあるのは壺屋焼のカラカラですが、当然泡盛用になります。お猪口もついていましたが今は残っていません。
     その奥は四角い徳利でなんだか気に入ってしまい手に入れたものです。手前は島岡達三の塩釉ぐい呑みです。
     人間国宝の作品は他に皿が一枚で2点だけあります。他に箱書きのあるぐい呑みは10個程度あるはずですが、使われない
     まま日の目を見ていないものが半数以上になります。これも表に出すのが大変で割愛することになり、写真には写っておりま
     せん。











2020.12.10 作成 長尾