ギャラリー部門 世界の酒コレクション1 石﨑 幸雄
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     コレクション1として、戸棚にある洋酒を出し並べてみました。ブランデー系とウィスキー類です。
     次回はコレクション2として、各国のスピリッツ類、リキュール系、酒精強化ワイン、中国酒類その他を引っ張り出して
     並べてみます。

写真1
  この4本はブランデー系になります。フランス語で、蒸溜酒を
  「オー・ド・ヴィ」=「生命の水」といい、オー・ド・ヴィ・ド
  ・バンはブランデー(原料;ぶどう)、オー・ド・ヴィ・ド・シ
  ードル(原料;りんご)は カルヴァドスが有名です。その他には
  ここにはありませんが、オー・ド・ヴィ・ド・マール(原料;ワ
  インの絞り粕)もブランデーの一種で熱心な愛好者が多いようで
  す。左から;カミュ グランド V.S.O.P (アルコール度数40°)(フ
  ランス産)、カミュ ナポレオン ヴィエイユ (アルコール度数4
  0°)(フランス産)、この2本はコニャックと呼ばれるコニャック
  地方で作られたブランデーです。アルマニャック地方で作られ
  るものはアルマニャックと呼ばれ夫々法律で定める厳密な基準
  があります。コニャックの中でカミュは日本でもよく知られた
  銘柄です。V.S.O.P [VerySuperior Old Pale]やナポレオンと
  いう名称は熟成年数を表記するものです。
 熟成年数を表す単位がコントでV.S.O.Pはコント4(樽熟成4年を
 経たもの)以上、ナポレオンはコント6(樽熟成6年を経たもの)
 以上になります。
 その横は;ブラー グランソラージュ カルヴァドス (アルコール
 度数40°)(フランス産)、ブラー社が 伝統的製法で造るアップル
 ブランデーです。コニャック、アルマニャック、カルヴァドス
 の3種で世界三大ブランデーと呼ばれています。
 右端は;メタクサ7スター (アルコール度数40°)(ギリシャ産)、
 ギリシャ最古の蒸留酒メーカーでメタクサ社の製品です。
 マスカットワインをベースに、バラの花びら、数種のハーブエ
 ッセンス、甘味料を添加したややリキュールに近い、ブランデ
 ーよりはソフトで甘やかな味わいになります。このメタクサ・
 ブランデーは7年以上の熟成なのでセブンスターという銘柄に
 なっています。
写真2
  この3本はウィスキーです。
  左端は;クラウンロイヤル カナディアンウィスキー (アルコー
  ル度数40°)(カナダ産)、カナダを代表するウィスキーで、193
  9年、初めてカナダを訪問したイギリス国王のジョージ6世への
  献上酒として誕生し、そのため王冠をモチーフに優美なボトル
  になりました。大麦由来の穀物の甘みとライ麦由来のスパイシ
  ーな刺激のバランスがよく、10年熟成による熟成香が豊かな上
  品な仕上がりです。中央は;カナディアンクラブクラシック1
  2年 (アルコール度数40°)(カナダ産)、カナディアンウィスキ
  ーは、グレーンウィスキーとコーンウィスキーのブレンデッド
  ウィスキーに分類されます。このウィスキーは12年の熟成年数
 を経て飲みやすく、バーボンウィスキーの好きな方には十分に飲
 み応えのある飲み口になります。右端は;響 (アルコール度数
 43°)(日本産)、サントリーが創業90周年を迎えた1989年に佐
 治敬三が生み出した、“人と自然と響きあう”というサントリーの
 企業理念が込められた、日本のブレンデッドウィスキーの最高峰
 です日本のウィスキーの世界的評価は高く、権威あるコンテスト
 で、何度も世界一に輝いています。スコットランド産の「スコッ
 チウイスキー」と、アイルランド産の「アイリッシュウイスキ
 ー」、アメリカ産の「アメリカンウイスキー」、カナダ産の「カ
 ナディアンウイスキー」、そして「ジャパニーズウイスキー」が
 その一角を占め、世界五大ウィスキーと呼ばれています。
写真3
  この5本を紹介します。いろいろな瓶に移し替えられています
  がすべてシングルモルトウィスキーになります。なぜ小瓶に入
  っているかといいますと、購入したボトルの約三分の一を小瓶
  に移し替え、本体のボトルとケースは息子に進呈してしまい手
  元に残っていません。元のボトルの写真を記録しているものも
  ありますが、データ整理していないので今回割愛します。
  日本酒は空になって瓶がどんどん溜まってしまいますが、ウィ
  スキー他の酒類は毎日飲むこともないのでそうそう簡単に減り
  ません。未開封のボトルもありますし、どう考えても私の寿命
  が尽きるのが先だとは思いますが、少しづつ楽しんで減らしま
  す。左から;ポートシャーロット アイラ・バーレー (アルコー
  ル度数50°)(スコットランド産)(アイラ島)、ブルイックラディ
  蒸溜所で造られるヘビリーピーテッドタイプのシングルモルト
  です。地元の農場で収穫された大麦を使用して造られているこ
  とも特徴です。次がカリラ25年(アルコール度数43°)(スコット
  ランド産)(アイラ島)、カリラ蒸溜所は世界最大の売り上げを誇
  るジョニーウォーカーのディアジオ社の所有で、ジョニーウォ
  ーカーのモルト原酒に使用されているためカリラとしての原酒
  不足が懸念されています。独特のスモーキーさに長期熟成なら
  ではのフルーティーな甘さの余韻が感じられる味わいといわれ 
 ています。次がプロヴナンス ポートエレン23年(アルコール度数
 60.9°)(スコットランド産)(アイラ島)、ポートエレン蒸溜所のポー
 トエレンは港の名前でもあり村の名前でもあります。蒸溜所として
 1983年に完全に停止し、現在は麦芽精製の専門業者となっていま
 す。閉鎖前のストックがあり希少価値のあるアイラモルトになって
 います。このストックから現在でも様々な瓶詰業者がこの銘柄で瓶
 詰し出荷しています。これはダグラス・レイン社のリリースするプ
 ロヴナンスシリーズでナチュラルカスクストレングス・ノンチル・
 ノンカラーリングのモルトです。
 ※カスクストレングスとは何か : ほとんどのウイスキーは瓶詰
 めされる前に水を加えてアルコールの標準比率に引き下げられま
 すが、カスクストレングスのウイスキーはカスクから取り出され
 た時のまま瓶詰めされ、何も追加されず何も取り除かれないもの
 です。従って樽出しのアルコール度数である50~60度位で出荷
 されます。※ノンチルとは何か : モルトは低温になると成分が析
 出しオリとなり、沈殿物が発生しやすくなります。あらかじめ冷却
 してオリを発生させて濾過すると濁りが出なくなりますが、同時に
 旨み成分も無くなり味わいがやせてしまいます。この冷却濾過をし
 ない製法でノンチルフィルターといいます。

  ※ノンカラーリングとは何か : 蒸留酒はもともと無色です。
  いろいろのタイプの樽で熟成させている間に色がついてきます
  が当然濃淡が出ます。樽によった色のばらつきをなくすために
  カラメルで調整します。薬品ではなく砂糖ですので天然由来で、
  まあ許容範囲で認められてもいますが、それさえも嫌う数少な
  いウィスキーがノンカラーリングを謳います。日本酒でいえば
  ”斗瓶囲い純米無濾過生原酒”といえますね。活性炭での濾過は
  なく、加水もせず、火入れもせず、酒本来の純粋な味になりま
  す。何も足さない何も引かない。ただストレートではかなり飲
  みにくいウィスキーです。次はブルイックラディー ベアバーレ
  イ2008 (アルコール度数50°)(スコットランド産)(アイラ島)、
  ベアバーレイは新石器時代からある”最も古い六条大麦品種”で、
  スコットランドへは海賊ヴァイキングによって持ち込まれたと
  いう説があり、一部でのみ栽培されている貴重な品種です。
  ブルイックラディー蒸溜所は、アイラモルトの特徴であるピー
  トをほぼ使わず、創業当時の設備で製造していて探求心旺盛な
  蒸溜所ということです。その味わいはベア種に由来したフルー
  ティでどっしりとした麦芽香を持っています。※ピートとは麦
  芽を焚き付けるのに使うアイラ島の泥炭を指します。アイラモ
  ルトはピーティーで薫香が強く、ヨード臭もあって個性的で好
  き嫌いがはっきり出ます。このピートの薫香とヨード臭がなん
  となく好きで殆んどアイラモルトのスコッチを飲んでいます。
  ヨード臭は端的に言えば正露丸の匂いです。
 日本でもよく知られているアイラモルトはラフロイグとボウモア
 だと思いますが、この二カ所を所有しているのはサントリーグル
 ープです。とは言ってもジャパニーズウィスキーとは呼びません。
 ボウモアはアイラモルトの中では穏やかで飲みやすく、「アイラ
 モルトの女王」とも呼ばれています。
右端は、山崎12年(アルコー
 ル度数43°)
(日本産)、ウィスキー発祥の地である京都郊外天王山
 の麓にあるサントリー山崎蒸溜所のシングルモルトウィスキーで
 す。ホワイトオーク樽のモルト原酒由来であるバニラ香と熟した
 果実香が特長。シェリー樽原酒とミズナラ樽原酒が隠し味として
 潜んだ飲み飽きしない、世界でも評価されているジャパニーズウ
 ィスキーです。アイラモルトに比べてやわらかくなめらかな味わ
 いです。そういえば以前飲んでいたイチローズ・モルトも薫り高
 くなめらかで飲みやすいものでした。ジャパニーズウイスキーの
 持つやさしさでしょうか。日本酒、ワイン等の醸造酒、ウィスキ
 ーやブランデー等の蒸留酒、その他すべての酒類で香りや味わい
 の表現に使う美しい比喩表現があります。語彙力を磨いて豊かに
 表現できるようになれば、残された人生を楽しく過ごせそうです
 が、語彙力不足でいまだに上手に使いこなせない状況が続きます。
 「酒は文化なり」なので、麗しい表現をしてみたいのですが、
 現状では努力不足があって、ただただ美味しい、美味しくない程
 度の言葉しか出てきません。まあそれで良しとしなければなりま
 せんが、それでも何とか語彙力を増やしてこれからの人生を楽し
 みたいと思っています。










2021.4.6 作成 長尾